男性型脱毛症(AGA)診療ガイドラインには掲載されていないが注目されているAGA治療薬ザガーロ

ザガーロは2015年に日本の厚生労働省から製造販売承認がおりた最新のAGA治療薬で、2016年6月から各地のクリニックで実際に取り扱いが始まっています。臨床試験の結果によれば、従来の治療薬よりも約1.6倍の治療効果があったとされ、これまで内服薬で十分な成果を得られなかった方からも期待を寄せられています。この薬はどのような点で従来の薬より優れているのか、また副作用の心配はないのか等について見ていきましょう。

 

ザガーロを製造販売しているのはイギリスに本拠を置くグラクソ・スミスクライン社(GSK)で、世界でも最大手の製薬会社のひとつとして知られています。主成分のデュタステリドは、もともとは前立腺肥大症の治療薬として開発された薬で、服用した患者の頭髪が増える現象が見られたことから、男性型脱毛症の治療薬として応用されるようになりました。前立腺肥大症の薬としては世界100か国以上で承認を受けていますが、男性型脱毛症の薬として承認を受けるのは、日本が韓国に続いて世界で2番めになります。
男性型脱毛症の直接の原因となるのは、男性ホルモン(テストステロン)が変化してできるジヒドロテストステロンです。変化させるのは5α還元酵素という酵素の一種であり、この酵素の働きを抑制することで抜け毛を防ぐことができます。5α還元酵素にはⅠ型とⅡ型がありますが、従来の治療薬はⅡ型しか抑えることができないのに対して、デュタステリドはⅠ型Ⅱ型のどちらも抑制することが可能です。またⅡ型を抑制する効果も従来の3倍と言われており、実験データからも効果の高さが期待されています。ただし従来の薬と同様に、効果が現れるまでには一定の期間が必要で、少なくとも3か月~6か月程度は服用を続けなければなりません。
薄毛や若ハゲを改善するためには、医学的にエビデンスのある治療法から、迷信に過ぎない民間療法まで、さまざまな方法が用いられています。なかには健康に有害な方法もあるため、日本皮膚科学会では男性型脱毛症(AGA)診療ガイドラインを設けて、どの程度の効果が期待できるかを示しています。そのうち推奨度A(行なうよう強く勧められる)に分類される治療法としては、フィナステリドとミノキシジルの2種類だけが挙げられています。フィナステリドは従来の治療薬の主成分であり、ミノキシジルは頭皮の血行を促進する外用薬です。また推奨度B(行なうよう勧められる)には、自毛植毛手術が分類されています。これ以下の分類に関しては、十分な医学的根拠がないとされています。
ザガーロは残念ながら、いずれの分類にも含まれていませんが、これは発売されて間もないため、十分な検証データが得られていないことが理由と考えられます。いずれ症例が集まるにつれて、効果の有無が確認されていくことになるでしょう。少なくとも臨床試験で発毛効果が見られたことは事実です。
副作用についても長期的なデータがないため、はっきりとは言えませんが、効果が高い分副作用も大きいことが予想されます。特に妊娠中の女性は、胎児に悪影響を及ぼす恐れがあるため、服用はもちろん薬に触ることも禁忌とされています。また服用後6か月以内の献血ができないこと、前立腺がんの検査で異常値が出る可能性があることにも要注意です。

 

ザガーロは男性型脱毛症の究極の治療薬とも呼ばれ、実験データから見た効果の高さに大きな注目が集まっています。ただし治療実績はまだまだ少なく、今後の検証が待たれるところです。治療に用いるなら、万が一の副作用を避けるためにも、専門の医師と十分に相談した上で処方を受ける必要があります。なお正規品は個人輸入では入手できません。

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